LACについて
LAC(リーガル・アクセス・センター)について
弁護士費用特約に入っておいて損はない、というお話を別コーナーでさせていただきました。
弁護士特約についてそんな弁護士費用特約の関係で「LAC(ラック)」という単語を聞いたことがないでしょうか。
ここでは、LACについてご説明しようと思います。
LACとはなにか
LACの正式名称は、「日弁連リーガル・アクセス・センター(Legal Access Center)」というものです(このほかに単位会(各都道府県にある弁護士会)にもLACがあるのですが、ひとまず横においておきます)。
「日弁連」というのは、日本弁護士連合会の略称で、日本で活動しているすべての弁護士が加入している団体です。
その日弁連が、各保険会社と協定を結び、弁護士費用特約・保険がスムーズに利用できるようにしよう、と設立した組織が日弁連リーガル・アクセス・センター、つまりLACという訳です。
日弁連の委員会のひとつである「日弁連リーガル・アクセス・センター運営委員会」によって運営されています(ちなみに、本稿の筆者(弁護士渡邊弘毅)も以前に同委員会の運営委員を務めていました)。
LACと弁護士費用特約の関係
先に結論から申し上げますと、LACは弁護士費用特約・保険の一類型、と考えていただければ結構です。
つまり、一般の任意保険等に付けられる弁護士費用特約や、単体で販売されている弁護士費用保険のうち、LACを利用するものと、そうでないものがある、ということです。
2022年1月現在、下記の保険会社・共済協同組合が日弁連と協定を結び、LACを利用しています。
・あいおいニッセイ同和損害保険株式会社
・AIG損害保険株式会社
・au損害保険株式会社
・キャピタル損害保険株式会社
・共栄火災海上保険株式会社
・ジェイコム少額短期保険株式会社
・セゾン自動車火災保険株式会社
・全国共済農業協同組合連合会(JA共済連)
・全国自動車共済協同組合連合会
・全国労働者共済生活協同組合連合会(こくみん共済 coop〈全労済〉)
・ソニー損害保険株式会社
・損害保険ジャパン株式会社
・大同火災海上保険株式会社
・Chubb損害保険株式会社(チャブ保険)
・中小企業福祉共済協同組合連合会
・チューリッヒ保険会社
・ミカタ少額短期保険株式会社
・三井住友海上火災保険株式会社
・三井ダイレクト損害保険株式会社
・楽天損害保険株式会社
上記の保険会社から販売されている弁護士費用特約・弁護士費用保険は、ほぼLACを利用するタイプのものだ、と考えていただいて結構です。
逆に、ここに記載されていない保険会社(例えば東京海上日動火災保険・アクサ損保等)が販売しているのはLACを利用しないタイプの保険、ということになります。
LACの特色
LACも、それ以外のタイプの保険も、被保険者の方(保険によっては同居の家族の方等も含まれます)が弁護士を利用した際に、その費用について保険金が出る、という大枠の部分は変わりません。
ただ、LACを利用した弁護士費用特約は、日弁連との協定により、単位会(各都道府県にある弁護士会)から弁護士の紹介を受けることができます。
具体的には、
という流れになります。
また、費用についてはLACで基準が定められており、LACの事件ではこの基準に基づいた費用を、弁護士が保険会社に請求することになります(保険の限度額以内であれば、利用者の方の負担は生じません)。
なお、一般的な保険では、弁護士費用特約の利用によって等級が下がることはありません。
どういう弁護士が選ばれるの?
上記のように、LACの保険であれば、日弁連を通じて、お住まいの地域の弁護士を紹介してもらうことができます。
ただ、弁護士については相性があるので、紹介された弁護士が自分に合う弁護士かどうかについては運の要素が入ってきます。
他方、LACの場合でも、そうでない場合でも、弁護士費用保険の範囲内であれば、通常は自分で選んだ弁護士に相談・依頼することができます(LACの場合は、通称「持込みLAC」と呼ばれたりします)。
例えば、保険会社の了承を得たうえで、当事務所に直接お電話いただき、「弁護士費用特約を使って相談したいだけど…」と言っていただければ、費用については当事務所と保険会社とでやりとりをしますので、費用の負担なく相談することができます。
まとめ
LACは、弁護士費用特約・弁護士費用保険の一類型で、弁護士会を通じて弁護士の紹介を受けることができることが特徴です。
ただし、LACの保険であってもそうでなくても、
①弁護士費用が保険金限度額の範囲で保険会社から支出されるので、自分で支出しなくてよい
②自分で選んだ弁護士に相談することができる
③弁護士費用特約を使っても等級は下がらない
という部分は変わりません。
事故に遭ったら、まずは弁護士費用特約の有無を確認してみましょう。
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官澤綜合法律事務所